2015年9月22日火曜日

ネットゲーム依存症について

「ゲームをやめる会」

①ネットゲーム依存症とは

 ネットゲーム依存症とは、ネットゲームのプレイ時間もしくは課金のコントロールができない病気です。ネットゲームに対して過剰に反応してしまう身体と、ネットゲームにとらわれてしまう精神面のふたつの側面が組み合わさった病気です。ふつうの人には想像もつかないほど、強力な欲求に支配されています。

 ほどほどにプレイできないのは、本人の意志が弱いからでも、自制心がないからでもありません。欲求があまりにも強力なために、肉体の限界を超えてなお、プレイしつづけてしまうのです。

 依存症は進行性の病です。十分な睡眠や食事が取れなくなり、生活のリズムが崩れていきます。ネットゲームが生活の中心になり、人間関係に問題が出てきます。現実の生活よりも、ネットゲームの方が大事になっていきます。生活が破綻し、孤立して、最後には社会的にも、精神的にも、身体的にも死を迎える事になります。


②だれでもなる病気です

 一般的に、若い男性がネットゲームをするイメージがあるかもしれません。しかし、年齢や性別に関係なく、だれでもなる可能性のある病気です。


③だれも悪くありません

 病気になったことは、本人が悪いわけでも、親が悪いわけでも、ネットゲームを制作した会社が悪いわけでもありません。だれかを責める必要はありません。ただ、私たちはやりつづけると命を落とすため、ゲームをしないことを選択しています。


④完治しない病気です

 この病気になったら、永久にやめつづける以外に解決はありません。ほどほどに遊べるようには決してなりません。どれほど長くやめつづけていたとしても、一度でもプレイしてしまえば、強迫的な欲求に支配され、再び常軌を逸してプレイしつづけてしまうようになります。ネットゲームをやりつづけて死ぬか、やめつづけて生きるか、ふたつにひとつです。


⑤アルコールやギャンブル依存症と同じ病気です

 アルコールやギャンブル依存症は、一生やめつづけなければならない病気です。アルコール依存症になったら、一生適度に飲めるようにはならないのと同じように、ネットゲーム依存症になったら、一生ほどほどに遊べるようにはなりません。アルコール依存症者にとって、今日一日最初の一杯に手をつけないことがもっとも大切であるように、ネットゲーム依存症者もまた、今日一日最初の一回に手を出さないことがもっとも大切です。


⑥ネットゲーム依存症と判断するには

 ネットゲームのプレイ時間もしくは課金をコントロールしてプレイできるかどうか、ご自身が納得するまで試してみてください。参考までに、私たちが試して失敗したことをあげてみます。
下の青字の部分を参照してください。

 依存症の自助グループ(セルフヘルプ・グループ)に参加して、当事者の話を聞いて参考にしましょう。アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症関係の書籍を読むのもよいでしょう。

 自分が依存症と認めるのは、嫌なものです。しかし、自分自身がまずそれを認めないかぎり回復ははじまりません。

試したこと
  • 時間を決める
  • 曜日を決める
  • タイマーをかけて鳴ったらやめる
  • パーティープレイのみにする
  • ソロ(ひとり)プレイのみにする
  • ネットゲーム内の人間関係を絶つ
  • 特定のイベントのみにする
  • イベントはやめる
  • 目標を達成したら休止する
  • ウェブマネーの買い置きをやめる
  • ひと月に一度だけやる
  • 3か月から半年間やめる
  • プレイした時間を記録する
  • データを消す
  • 退会をする
  • ほかのネットゲームに替える
  • やめることを誓う
  • インターネットを控える

⑦回復できます

 この病気がどれほど強力でたいへんなものであるか、自分ひとりだけではわかりません。自助グループに参加しつづけ、同じ依存症の仲間の話をくり返し聞くことで、すこしづつ理解が深まっていきます。

 現在、インターネットやゲーム依存の問題に焦点を当てた自助グループはほとんどありません。近くにそういった自助グループがなければ、ギャンブルやアルコールなどの依存症の自助グループに参加して、先ゆく仲間の経験と知恵を借りましょう。

 二度とネットゲームができるようにはなりません。やめても、ゲームへの強い欲求は残ります。ゲームをすることなく、現実と向き合って生きていくことに困難を感じるかもしれません。かつてのゲームを懐かしくおもうこともあるでしょう。しかし、時間が経つにつれて、すこしずつ欲求は小さくなっていきます。そして、身体的にも精神的にも回復して、より良く生きていくことはできます。


⑧やめつづけることは難しい

 たとえやめたとしても、強迫的な欲求は、その後もつづきます。絶え間なくつづく欲求や、過度のストレスが原因で、また以前のようにはじめてしまうかもしれません。スリップ(病気の再発)は、何年やめていても起こりえます。ネットゲームをやっていたときの感覚やフラッシュバックは、やめたあと何年もつづきます。その苦しみは筆舌に尽くし難いほどです。やめつづけることは、簡単なことではありません。また、知識だけでは決してやめつづけることはできません。


⑨どうすればよいのか

 ゲーム、ギャンブル、アルコールなどの依存症の自助グループ(セルフヘルプ・グループ)に参加しましょう。依存症の施設に相談するのもよいでしょう。
依存症者は、みな生きづらさをかかえています。そのために依存症は、“こころの病”ともいわれています。

 ひとりで回復することはできません。依存症から回復している先ゆく仲間と出会い、自助グループで経験をわかちあい、生き方をすこしずつ変えていきましょう。ゲームをしない生き方を身に着けていく必要があります。直接仲間と会うことが大切です。わかちあいのなかで、さまざまな気づきや共感を得ることで、回復・成長していくことができます。

 同じネットゲーム依存症の仲間とわかちあい、お互いに助け合うことが、やめつづける最良のクスリになります。
自助グループを作って仲間を募ったり、メッセージ活動をするのもよいでしょう。

 あなたの回復と成長を祈ります
 よい出会いがありますように


⑩家族の方へ

 ネットゲーム依存症者に巻き込まれている家族の困惑と苦しみはたいへんなものです。しかし、当事者の苦しみもまたたいへんなものなのです。本人はいつもたのしくてやっているわけではないのです。依存症であれば、ある日突然思い立って、プレイ時間を短くしたり、きっぱりやめたりすることはありません。

 家族が無理にやめさせようとしても、効果は期待できません。家族もまた孤立から抜け出す必要があります。依存症専門の病院や施設に相談をしてください。ネットゲーム依存症の当事者の話を聞くのもよいでしょう。家族が依存症という病気をよく知り、自分自身を助けていくことが、本人の助けにつながります。


 ネットゲーム依存症は、ギャンブル依存症などと同じ「プロセス依存」の病気です。ギャンブル依存症の家族のための自助グループや相談窓口が役に立つでしょう。

 依存症本人の回復には、家族自身の回復と、家族の協力が必要です。回復には、本人も家族も、長い時間がかかります。見捨てることなく、愛情をもって本人を手放していきましょう。本人にも家族にも、同じ仲間や支援してくれる人の助けが必要です。


これらは、いまゲームをやめつづけているネットゲーム依存症者の経験に基づいた意見であり、医師や専門家の意見ではありません。


ネット依存について

私たちはあらゆるネットの使い方に注意をします。ネットをし続けることは、時間や金銭、エネルギーの浪費をしているにもかかわらず、しばしば精神的・物質的に幸福であるかのような幻想を与え続けます。
ネット上の広告は、視覚的・聴覚的に私たちを刺激し、その宣伝の効果がすばらしいと思い込ませる力があることに注意します。またネット上における妄想的で不健康な人間関係に注意します。

空虚感を埋めるためにはネットを使うしかない、という病的な考えが私たちを支配してしまうことがあります。強迫的にネットを使い続けることによって不安や恐れは増大し、自己肯定感が低下していきます。
ネット依存症は進行性の病気であり、長い目で見れば、私たちは悪くなることはあっても、決して良くなることはありませんでした。

ネット依存は問題の象徴にすぎません。私たちはプログラムを使い、自分自身の問題に焦点を当てます。私たちは生き方を変え、霊的な回復と成長をすることが、健康で幸せな生活につながると信じています。霊的とは、正直、思いやり、寛容、謙虚といった、人間の素晴らしい特質を意味します。

自己破壊的なネットの使用をやめ、回復の道具を使い、ネットを過剰に使ったり、とらわれたりしない生き方を追求します。ネットの使い方は、自分自身の行動の点検をしながら状況に合わせて、自分たちで決めていきます。私たちの第一の目的は、自分自身がネット依存から回復することであり、そのことでほかの仲間たちの回復・成長の手助けとなることです。


インターネット・リカバリープラン

インターネット・リカバリープランとは、インターネットで何をするか、またはしないかについて書かれた決意表明です。自分のネットの使い方をきびしい目で観察する一つの実践的な手段であり、ネット依存から脱する大きな一歩となります。 目的は、ネットの使い方のバランスを取ることです。ネット上において、すべきではない行動のリストアップをします。どのようなネットの使い方を自分が望んでいるのかをはっきりさせます。

プランをミーティングで話したり、信頼できるメンバーやスポンサーと分かち合います。そうすることで孤立から抜け出し、より客観的な見方が可能となります。

定期的にプランの見直しをはかり、必要に応じて改善していきます。プランを実践し、自分の感情と向き合い、それが自分に適したものかどうかをふり返る時間を取ります。

フォーマット
1. 問題がある、あるいはとらわれているネットの使い方、サイト、人々。
2. 生活上、必要なネットの使い方。
3. グレーゾーン(どちらであるか、区別がつけづらいもの)。
4. 健康的にネットを使うための具体的かつ現実的なプラン。

回復の道具
1.ミーティング 2.仲間 3ホームグループ(自分の所属するグループ) 4.スポンサーシップ 5.12ステップ 6.電話 7.インターネット・リカバリープラン 8.書くこと 9.文献(ビッグブックなど) 10.サービス

0 件のコメント:

コメントを投稿